ブックタイトル青葉山植物図鑑

ページ
58/268

このページは 青葉山植物図鑑 の電子ブックに掲載されている58ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

青葉山植物図鑑

〈日本薬局方収載植物〉高浜町の薬草各論トトウキ特 徴 薬用としても各地で栽培される多年草。全草にセロリに似た特異な甘い芳香がある。茎は直立して高さが50 ?80cm になり、茎と葉柄は赤紫色を帯びる。葉は互生し、2?3回3出羽状複葉で、小葉は広い皮針形で葉縁に鋸歯があり表面は暗緑色で光沢がある。花期には枝先に複散形花序をつけ、多数の小白花を開く。果実は長さ5?6mm の長楕円形。生薬名 当トウ帰キ(根を湯通ししたもの 局※)効 用 漢方処方用薬で、温性の駆血、強壮、鎮静、鎮痛薬として、貧血症、腹痛、身体疼痛、月経不順、月経困難、月経痛その他婦人の更年期障害などに応用する。また、家庭薬の婦人薬(実母散、中将湯など)の主薬として配合される。調製法 定植後3?4年目の秋に根を掘りとり、4?5本を一束とし、茎葉を付けたままの状態にして、藁縄で一括りし、上部の葉を切り落として稲架(はさ)に掛け、翌年の2月頃まで放置し、乾燥させる。2月の晴天の暖かい日を選び、湯揉み洗いをする。たらい又は桶を用意し、70 ?80℃の湯を入れ、まな板様の板を用意し、この上に稲架の当帰を置き、丁寧に根の先端から基部にかけて両手で揉む。根の間の土や小石を落とし、きれいな馬尾状に形を整え、再び稲架に掛けて乾燥する。※ 【日局】 当帰 本品はトウキAngelica acutiloba Kitagawa 又はホッカイトウキAngelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino(Umbelliferae)の根を、通例、湯通ししたものである。利用部位根を湯通ししたもの和名 当帰分布 本州中部地方以北、北海道生育地 山地の岩場、岩礫地薬用部位 根花期 夏(8~9月)トウキの生薬開花期セリ科トウキAngelica acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag.