ブックタイトル青葉山植物図鑑
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青葉山植物図鑑
〈日本薬局方収載植物〉高浜町の薬草各論キキハダ特 徴 落葉高木で、樹高は約25m になる。薬用として植林もされている。樹皮は淡黄褐色で厚いコルク質、縦溝がある。コルク質の樹皮をはぐと、鮮やかな黄色の内皮が出てくる。葉は長さ20 ~ 40cm の奇数羽状複葉で対生する、小葉は5~ 13 枚。雌雄異株。花期には、枝先に円錐花序をつけ黄緑色の小さな花を開く。果実は球形で黒色に熟し、この実は冬にも落下せずに残る。生薬名 黄オウ柏バク(コルク層を除いた樹皮 局※)効 用 苦味健胃薬および整腸、消炎性収斂薬として、胃腸炎、腹痛、黄疸、下痢などの症状に用い、また打撲傷にも外用する。粉末1回量1g を1日3回服用する(細菌性胃腸炎・下痢・腸内異常発酵)。黄柏1回5g を煎服(急性胃炎・十二指腸潰瘍・下痢)。粉末に食酢を加えてパスタ状によく練って患部に直接塗ってガーゼを当て、乾いたら取替える(打撲・捻挫)。その他家庭薬原料として使用され、またベルベリン抽出原料としての用途も多い。調製法 7月中旬から8月上旬に樹齢10 ~ 20 年の木を伐採し、樹皮を剥ぎ、周皮を除き天日で乾燥する。※ 【日局】 本品はキハダPhellodendron amurense Ruprecht 又はPhellodendronchinense Schneider(Rutaceae)の周皮を除いた樹皮である。本品は定量するとき、換算した生薬の乾燥物に対し、ベルベリン[ベルベリン塩化物(C20H18ClNO4:371.81)として]1.2%以上を含む。利用部位コルク層を除いた樹皮和名 黄肌分布 日本各地生育地 山地薬用部位 コルク層を除いた樹皮花期 初夏(6月頃)果実葉の状態内皮の剥ぎ取り作業ミカン科キハダPhellodendron amurense Rupr.キハダの生薬キハダの水製エキスを煮詰めて竹皮に延ばした製剤(陀羅尼助)は、7世紀に山岳修験者の頭領として活躍した役えんの行ぎょう者じゃ小お 角ずぬの創薬とされている。山伏には必須の常備薬であり、この製法は各地に伝わった。その一部は木曽の百草、山陰地方の練熊など伝承薬として現在にも受け継がれている。