ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の有毒植物各論テテッセン/トウゴマ特 徴 寛文年間に日本に渡来した、木質の落葉つる性植物。茎は木質で細く伸長し、全体に短毛をまばらにつける。葉は対生し、1~ 2 回3 出複葉で小葉は卵形か卵状披針形で全縁か2~3決刻がある。花期には、葉腋に長柄を出し、頂端に大型の白色または紫色の花を単生する。生薬名 威イ霊レイ仙セン(全草)毒 性 古くには、利尿整腸薬・鎮痛薬として神経痛、リュウマチ、痛風、筋肉痛、尿酸症、黄疸、浮腫などに用いられた。根と根茎にサポニンのイレイセニン、オレアノール酸、葉に有毒アルカロイドのプロトアネモニン、アネモニンなどを含む。誤食により急性胃腸炎、激しい腹痛、下痢、血尿、消化器出血、嘔吐などの症状が出て、重症では整脈、心臓麻痺、心不全炎症、呼吸緩除、瞳孔散大を経て死亡する。和名 鉄線分布 中国原産生育地 観賞用に栽培される。有毒部位 全草花期 春(5 ?6 月)開花期特 徴 原産地では低木、または高さ6m を超える高木となるが、温帯では一年草で高さ約3m。全体無毛で通常暗紫色を帯びる。茎は円柱形で直立し、分枝はまばらで大きな葉を互生する。葉は掌状に5~ 11 に中裂し鋸きょ歯しがある。花期には、茎頂と葉腋に花序をつけ、円錐花序の上部に雌花、下部に雄花をつけ、とげのある蒴果さく果を結ぶ。種子は楕円形で暗褐色の斑点がある。生薬名 蓖麻子油(ヒマシ油 圧搾して得た脂肪油 局※)毒 性 蓖麻子油は瀉下剤として常習便秘、食中毒、急性胃腸炎などに用いられる。種子には有毒蛋白質のリシンやアルカロイドのリシニンを含有する。リシンは、ボツリヌス菌、破傷風菌と並んで世界三大毒成分の一つとして数えられている。リシンの人体における推定致死量は0.03mg/ 1kg。経口摂取した場合は嘔吐・下痢などの消化器症状を呈す。また幻覚や痙攣などの症状が出る。摂取量が多ければ、数日後には肝臓、脾臓、腎臓の機能が低下し死に至る。蓖麻子油にリシンは含有しない。※ 日局 本品はトウゴマRicinus communis Linne(Euphorbiaceae)の種子を圧搾して得た脂肪油である。和名 唐胡麻 別名 ヒマ(蓖麻)分布 東アフリカ原産とされる。生育地 観賞用および蓖麻子油原料として栽培される。有毒部位 種子花期 秋(9?10 月)果実期有毒部位有毒部位キンポウゲ科テッセンClematis florida Thunb.トウダイグサ科トウゴマRicinus communis L.全 草種 子