ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の有毒植物各論セセンニンソウ/タケニグサ特 徴 つる性の多年草で、茎は長く伸び、他物に絡み成長する。葉は長柄があり奇数羽状複葉。小葉は卵形または卵円形で鈍頭、基部は円形または浅心形で全縁、まれに大きく切れ込む。花期には、葉腋から円錐花序をつけ、白色花を多数上向きに開く。花弁はなく4枚の萼片が平開する。果実は痩果で長い羽毛状の花柱が残る。生薬名 鉄テッ脚キャク威イ霊レイ仙セン(根)毒 性 全草に有毒アルカロイドのプロトアネモニン、サポニン、ヘデラゲニンなどを含み、生汁が皮膚につくと引赤し水腫をつくる。古い時代にはこの作用を利用し、発疱剤として扁桃腺炎の治療に用いられた。この方法は、生葉1~2枚をよくすりつぶして、片方の手首の内側に貼り、ガーゼを当てて包帯で軽く押さえる。約5分くらいで手首に痛みが生じ、これと並行して扁桃腺炎の痛みが消失してくる。その後、センニンソウを取り除いて発疱下部分をぬるま湯で軽く洗い落とす。毒性の強い成分であるので、5分以上放置すると水腫の跡が治りにくくなり皮膚炎を起こしてしまう。摂取による中毒の主症状は口内の腫脹、胃腸炎、疝痛などで、さらに重症の場合、血便を排泄し、嘔吐、神経症状、呼吸緩除、瞳孔散大を経て死に至ることもある。和名 仙人草分布 日本各地生育地 日当たりのよい山野や路傍有毒部位 全草花期 夏(8?9月)果実期特 徴 多年草で、草丈は1.5 ~2m 以上に達する。葉は切れ込みがあり形はキクの葉に似るが大きく、葉の裏や茎は粉をふいたように白っぽい。茎は中空で、茎や葉を傷つけると黄褐色の汁が出る。花期には、茎頂に穂状花序をつけ小さな白色~淡汚黄色の花を多くつける。和名竹似草。また一緒に煮ると竹が軟らかくなるから竹煮草だというが確かでない。生薬名 博ハク落ラク廻カイ(全草)毒 性 全草に多種類のアルカロイドを含有する。プロトピン、ホモケリドニン、サンギナリン、ボッコニンなどである。乳液中のプロトピン、ホモケリドニンは大脳に作用し、大脳中枢を麻痺させる。乳液には殺菌作用もある。そのために、皮膚病、タムシに用いられる他、殺虫作用もあるため、畑の害虫駆除に散布したり、生葉は蛆虫駆除にも用いられる。古い時代に農薬として用いられてきたことからも分かるように、その毒性分は強烈である。まかり間違っても内服することだけは避ける。和名 竹似草、竹煮草分布 本州、四国、九州生育地 日当たりのよい草原や荒れ地有毒部位 全草花期 夏(7?8月)生育期有毒部位有毒部位キンポウゲ科センニンソウClematis terniflora DC.ケシ科タケニグサMacleaya cordata (Willd.) R.Br.全 草全 草