ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の薬草各論ヤヤブコウジ/ヤブジラミ特 徴 常緑小低木で、高さは10 ~ 20cm になる。葉は輪生状に2~3段集まってつき、長楕円形で葉縁に細かい鋸歯がある。花期には、前年枝の葉腋に散形花序をつくり、白色花を2~5個下向きに開く。果実は核果の球形で10 ~ 11 月に赤く熟す。生薬名 紫シ金キン牛ギュウ(根)薬効・利用方法 鎮痛・消炎・解毒薬として、消化不良、膀胱炎、腫れ物、咳、咽喉の腫瘍などに用いられる。消化不良、腫れ物には、紫金牛1日量5~ 10g に水500mL を加え、半量まで煎じ3回に服用する。鎮咳には、1日量3~6gに水200mL を加え、半量まで煎じ朝夕の食前に服用する。小児の頭にできる湿疹には、30g に水400mL を加えて半量まで煎じた液で患部を洗う。調製法 根茎は地下浅いところに横に伸びているので採取は容易、11 月頃に採取し、水洗い後刻んで日干しにする。和名 藪柑子分布 日本各地生育地 山野の林下、観賞用に植栽される。薬用部位 根花期 夏(7~8月)果実期特 徴 越年草で、草丈は30 ~ 70cm になる。葉は2回3出の羽状複葉、小葉は卵状披針形で、細かく切れ込み、両面とも粗い短毛が密生する。花期には、枝先に小形の複散形花序を出し、白色の小さな花を開く。果実は卵形でとげを密生し、シラミのように衣服に付着するのでこの名がある。オヤブジラミに比べ全体に白みが強いので区別できる。生薬名 和ワ蛇ジャ床ショウ子シ(成熟果実)薬効・利用方法 収斂性消炎薬として婦人陰部の陰痒、腫れ物などには、和蛇床子5~ 10g にミョウバン2~4gを加え、150mL の水で煎じ、やや冷めた煎液を脱脂綿に浸して患部を洗うか、粉末を基礎剤に入れて練って軟膏にして用いる。強壮薬として陰萎、てんかん、関節痛などに用いられ、1日量10 ~ 20g に水800 ~ 900mL 加えて煎じ、3回に分けて服用する。強壮には、和蛇床子、五味子、菟糸子を等分量に混ぜて粉末にし、蜂蜜を加えて練って大豆粒大の丸薬をつくり、1回に5丸ずつ1日3回、服用する。調製法 夏に成熟果実を採取し日干しにする。近縁種 オヤブジラミ和名 藪虱分布 日本各地生育地 野原や路傍など薬用部位 成熟果実花期 初夏(5~7月)果実期利用部位根利用部位成熟果実サクラソウ科ヤブコウジArdisia japonica (Thunb.) Blumeセリ科ヤブジラミTorilis japonica (Houtt.) DC.果実部