ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論ヤヤブガラシ/ヤブカンゾウ特 徴 つる性の多年草。茎は稜があり生長が早く他物に絡みつく。巻ひげは葉と対生し、普通は二つに分かれる。葉は互生し、有柄で鳥足状の五小葉。頂小葉は狭卵形または長楕円形で波状の鋸歯があり、ほとんど無毛、裏面に光沢がある。花期には、有柄で扁平な集散花序を葉に対生して出し、淡緑色の四弁花を開く。花期後に黄赤色の花盤が目立つ。生薬名 烏ウ斂レン苺ボ(根茎、根)薬効・利用方法 消炎・利尿・鎮痛・解毒薬として腫れもの、ただれ、瘡、打撲傷などに用いる。乳房の腫れには、烏斂苺20 ~ 30g に水200mL を加え、半量まで煎じた液で冷湿布する。利尿には、1日量10 ~ 15g に水300mLを加えて、1/3 量まで煎じて3回に服用する。蜂やムカデの咬傷には、茎葉の生汁を外用する。調製法 生の根茎を使用する場合は、必要時に採取するが、適期は7~8月頃。根茎は地下15 ~ 20cm 位を横に伸びるため、掘り取りは大変だが、採取した根茎は、水洗い後日干しにする。和名 藪枯らし分布 日本各地生育地 原野や人家付近薬用部位 根茎、根花期 夏(7~8月)開花期特 徴 多年草で、草丈は40 ~ 60cm になる。根は先端部が紡錘状に肥厚する。葉は根生し左右2列に並び、葉幅はやや広く広線形で無毛。花期には、株元から0.7 ~1m の花茎が伸び、茎頂は典型的な二又分枝を示し、黄褐色で赤色の斑紋がある花を数個つける。花は八重咲きで、雄しべと雌しべが弁化して八重咲きになる。生薬名 萱カン草ゾウ(根)、金キン針シン菜サイ(花の蕾)薬効・利用方法 解熱、利尿、腫れもの、むくみに用いられる。解熱には、蕾を乾燥したもの1日量10 ~ 15g に水400mL を加え、半量まで煎じて服用する。利尿、むくみには、根1回量5~ 10g に水400mL を加え、半量まで煎じて服用する。腫物には生の根を砕いて患部に塗布する。調製法 花は8月頃蕾を採取し、熱湯中に2~3分浸すか蒸した後日干しにする。根は9月に採取する。近縁種 ノカンゾウ※ 金針菜は食品としても利用され、市販もされている。一般に、蕾を乾燥させた黄橙色のものと、蕾を蒸してから乾燥させた茶褐色のものがある。軽く水洗いしてぬるま湯につけてもどし、スープや炒め物に使う。黄橙色のものは戻し時間30 分程度、茶褐色のものは2 時間程度かかる。もどし汁にも有用成分が溶け出しているので捨てずに使う。和名 藪萱草分布 日本各地生育地 平地や丘陵地の斜面、林縁など薬用部位 花蕾、根花期 夏(7~8月)開花期利用部位根 茎 根利用部位花 蕾 根ブドウ科ヤブガラシCayratia japonica (Thunb.) Gagnep.ススキノキ科ヤブカンゾウHemerocallis fulva L. var. kwansoRegel