ブックタイトル青葉山植物図鑑

ページ
198/268

このページは 青葉山植物図鑑 の電子ブックに掲載されている198ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論フフユイチゴ/ブルーベリー特 徴 つる性の常緑小低木。茎は長く伸びて地を這う。全体に軟毛を密生し、通常、とげはないが、まれに有刺のものもある。葉は互生し、単葉でほぼ円形、葉縁には鋸歯がある。花期には、枝先や葉腋に白色の5弁花を数個開く。集合果は球形で11 ~1月に赤色に熟す。生薬名 寒カン苺バイ葉ヨウ(葉)、寒カン苺バイ根コン(全草)薬効・利用方法 寒苺葉は強壮薬として肺結核の喀血の治療に用いられ、1日量15 ~ 25g を煎じて服用する。寒苺根は清熱解毒作用があるとして、胃痛、月経不順、痔疾、虫垂炎、肝炎などに用いられ、1日量10 ~ 25g を煎じて服用する。黄疸、慢性虫垂炎の治療には他の生薬と合わせて使う。強壮・強精には、フユイチゴ酒を就寝前に30mL を飲用する。調製法 夏から秋にかけ採取し、よく水洗してら日干しにする。フユイチゴ酒は、生の果実を広目びんの1/3 位まで詰め、これに25 度のホワイトリカーをびんの肩のところまで注ぎ入れ、冷暗所に2~3か月静置する。和名 冬苺分布 関東地方南部・新潟県以西、四国、九州生育地 山地の林縁や林下など薬用部位 葉あるいは全草花期 秋(9~ 10 月)果実期特 徴 スノキ属の小果樹で、その果実が濃い青紫色に熟すことからブルーベリーと呼ばれる。この仲間の植物は、北半球の各地に自生する種類があり、日本にはクロマメノキ、ナツハゼ、シャシャンボなどが知られており同属の落葉低木果樹の総称である。20 世紀の初めより、アメリカ、カナダ原産の種類から品種改良が始められ、今日では世界の温帯圏で広く栽培される果樹になっている。生薬名 藍莓(果実)薬効・利用方法 アントシアニンを豊富に含み、目の機能の向上、維持、血管障害系の疾患に有効である。人間の網膜には、ロドプシンという色素体があり、この色素体は目を使っていると徐々に分解され目の機能が低下する。アントシアニンはロドプシンの再合成を助ける働きがあるので、疲れ目などで目の機能が落ちているときに視力回復の効果が期待できる。また、近年アントシアニンが活性酸素の働きを抑えることが判り、これによって活性酸素から引き起こされる様々な病気や老化などから守ってくれるとされる。調製法 完熟した果実を採取し、加工する。分布 北アメリカ原産生育地 果樹として栽培される。薬用部位 果実花期 春(4~5月)果実期利用部位葉 全 草利用部位果 実バラ科フユイチゴRubus buergeri Miq.ツツジ科ブルーベリーVaccinium australe Small, Vacciniumcorymbosum L.果実部花部