ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論フフジ/フジバカマ特 徴 落葉つる植物で、茎は著しく長く伸びて他物に右巻きにからむ。葉は柄のある奇数羽状複葉で、4~9対の卵形から卵状長楕円形の小葉で、葉質は薄く両面にわずかに毛がある。花期には、枝先に長さ20 ~ 40cm もある総状花序を多数垂下し、紫色の蝶形花を基部から順次開く。近縁種のヤマフジは茎が左巻きにからみ、花はほぼ同時に開花する点などで区別できる。生薬名 藤トウ瘤リュウ(樹皮にできる瘤)薬効・利用方法 民間的に消炎・止瀉薬として下痢止め、口内炎、歯肉炎、扁桃腺炎などに用いる。藤瘤1日量1~3g に水300mL を加え、1/3 量まで煎じて、この煎じ液でうがいする。粉末を脇の下に塗布すると腋臭を防ぐ効果があるといわれる。下痢には、種子1回量1~3g を水200mL を加え、半量に煎じて3回に分けて服用する。また、胃癌には、藤瘤を刻み粉末にしたものを1日量10を2~3回に分け、水で服用するとよいとされるが、効果は必ずしも明らかではない。調製法 老木にできる瘤を採取し、水洗い後日干しにする。種子は7~8月頃、さやごと採取し日干しにしてから、種子を選別する。※ ヤマフジは、茎は左下から右上に巻く(右巻き)。左手で握った形になるとヤマフジ、右手で握った形になるとフジ。和名 藤 別名 ノダフジ分布 本州、四国、九州生育地 山地、観賞用として庭園に植栽される。薬用部位 樹皮にできる瘤花期 春~初夏(4~5月)開花期特 徴 奈良朝に中国から渡来し帰化したという説もある。多年草で、草丈は1~2m になる。葉は対生し質は硬く、下部のものは3裂する。花期には、茎上部に散房状花序をつくり、多数の頭花を開く。頭花は通常淡紫色の管状花5個からなる。秋の七草の1つ。生薬名 蘭ラン草ソウ(帯蕾未開花時の全草)薬効・利用方法 血糖降下作用、利尿効果があり、利尿・解熱・通経薬として用いられる。糖尿病の治療・予防には、蘭草、連銭草、ビワ葉、タラノキ根の皮各5g を混ぜて1日量とし、水400mL を入れ半量まで煎じて、1日3回に分けて服用する。腎炎などの浮腫には、蘭草1日量10g に水400mL を加え、半量まで煎じてかすを除いて1日3回食間に服用する。皮膚のかゆみに、乾燥した全草300 ~500g を細かく刻んで布袋に入れ初めになべで煮出してから、袋ごと風呂に入れて入浴する。かゆみの部分を、この袋でこすると効果的。調製法 蕾をつけたものを採取して、2~3日、日干しにしてから、あとは風通しのよい所で乾燥させる。乾燥中によい香りが出てくる。乾燥後は、密閉容器に貯蔵する。※ 蘭草は半乾きの状態にすると、桜もちの葉のような香りになる。昔、中国では花の一枝を女の子が簪(かんざし)にしたり、香袋にして身につけていたという。和名 藤袴分布 関東地方以西、四国、九州生育地 川岸の土手など薬用部位 帯蕾未開花時の全草花期 初秋(8~ 10 月)開花期利用部位樹皮にできる瘤利用部位全 草マメ科フジWisteria floribunda (Willd.) DC.キク科フジバカマEupatorium japonicum Thunb.フジヤマフジ