ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の薬草各論ヒヒメハギ/ヒュウガトウキ特 徴 常緑の多年草で、草丈は10 ~ 30cm になる。茎は束生し、固くて斜上する。葉は互生し、短い柄があって表面は光沢がある。花期には、葉腋から総状花序を出し、紫色を帯びた花を数個開く。花弁のように見えるのは萼片で5枚、紫色であるが、花期後に成長して緑色になる。生薬名 竹チク葉ヨウ地ジ丁チョウ(全草)薬効・利用方法 鎮咳・去痰・止血・解毒薬として吐血、血便、咳、咽喉の腫れや痛み、でき物、打撲傷、などの治療に用いられ、竹葉地丁1日量8~ 15g を煎じて服用する。乾燥した全草を粉末として服用してもよい。外用には煎液で患部を洗うか、新鮮なものを突き潰して患部に塗布してもよい。調製法 夏~秋にかけて全草を採取し、水洗いした後日干しにする。和名 姫萩分布 日本各地生育地 日当たりのよい山野薬用部位 全草花期 春~夏(4~7月)開花期特 徴 多年草で、草丈は2mに達する。葉は1~3回3 出羽状複葉で、小葉は長卵形、先は尾状に伸びるものが多い。葉には低い鋸歯があり、無毛で表面に光沢は無い、裏面は白色を帯びる。花期には、茎頂や枝先に壮大な複散形花序をつけ白色の小花を多数開く。ヒュウガトウキの健康機能性は、当時、生薬再認識の機運の高まりの中で継続されていた愛媛大学医学部の奥田拓道らによる含有成分と生理作用に関する基礎研究が発表されたことによって一躍注目される存在となった。奥田や小澤貢(大阪薬科大学)の研究によると、代表的有効成分はクマリン系物質のほか、イソプテリキシン、アノマリンなどで、薬理作用としては、 ① アドレナリンの作用を抑制して末梢血管を拡張し血液循環を改善 ② インスリン分泌を助長して糖尿病を改善 ③ 肝臓への脂肪の蓄積を阻む ④ 生体内の過酸化脂質の蓄積を防ぎ、動脈硬化、肌荒れ、脱毛を予防 ⑤ ガン患者の延命効果(ガン細胞由来の毒素トキソホルモン-L を阻害) ⑥ アレルギーや炎症の原因となるロイコトリエンC4 を抑制 ⑦ 性ホルモン(男性・女性)の分泌促進 ⑧ 血圧降下作用(アンジオテンシン変換酵素を阻害)などであることが和漢医学学会その他で発表された。 以後、馬場きみ江(大阪薬科大学)らも研究に参画し、NK細胞活性化作用、血小板凝固抑制作用、アルドース還元酵素阻害作用などを見出すと共に、臨床的にはガン組織の縮小あるいは延命効果、また、インスリン非依存性糖尿病の高血糖の改善、インターフェロンとの併用もしくは単独使用によるC 型肝炎の治療、気管支喘息や慢性関節リュウマチなどの治療、性機能改善、冷え症・頭痛・肩凝りなど不定愁訴への効果などが明らかにされてきている。(健康・栄養食品事典 日本山人参 (東洋医学舎 林輝明・吉川雅之編))和名 日向当帰 別名 日本山人参分布 九州宮崎に局限生育地 山地薬用部位 根花期 夏(8~9月)生育期利用部位全 草利用部位根ヒメハギ科ヒメハギPolygala japonica Houtt.セリ科ヒュウガトウキAngelica tenuisecta (Makino) Makinovar. furcijuga (Kitag.) H.Ohba