ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の薬草各論ヒヒカゲノカズラ/ヒキオコシ特 徴 常緑性シダ植物。茎は地表を長く這って根を出し、不規則に又状分岐する匍匐茎と、葉を密生させる直立茎を出す。葉は緑色の線形で開出し、杉の葉の様な形状となる。胞子嚢穂の柄は直立して線形の小さい葉を圧着させ、先で分岐して円柱状の胞子嚢穂を数個つける。生薬名 石セキ松ショウ(地上部の全草)、石松子(胞子)薬効・利用方法 石松には止渇・利尿作用があり水腫、関節の痛み、皮膚のしびれ、打撲傷などに用いられ、石松1日量8~ 15g を煎じて服用する。ただれ、湿疹などの皮膚疾患に、石松子をただれた患部に散布薬として用いる。西洋の民間では受胎防止、堕胎作用があるといわれ避妊薬とされた。また石松子は丸剤の衣に用いられ、丸薬を形よく仕上げるとき、石松子を振りかけ回転させると、美しい球形に仕上がる。調製法 全草は夏に採取して、日干しにする。胞子は子嚢穂ごと採取し厚紙の上で天日乾燥させ、胞子が充分こぼれ落ちた後、選別して胞子のみを得る。和名 日陰蔓分布 日本各地生育地 日当りのよい山麓薬用部位 地上部の全草、胞子花期 夏(8月頃)開花期特 徴 多年草で、草丈は50 ~ 100cm になる。茎は四角く、下向きの短毛が密生する。葉は対生し、広卵形で先は尖り、葉縁には鋸歯がある。葉脈の上には短い毛があり、葉を噛むと強い苦みがある。花期には、枝先の葉腋から伸びてまばらな長楕円状の円錐花序をつくり、紫色の小花を多数開く。生薬名 延エン命メイ草ソウ(全草)薬効・利用方法 日本の民間薬で古来より苦味健胃剤として広く用いられてきた。消化不良、食欲不振、腹痛などには、延命草1日量10g に水400mL を加え、約半量まで煎じて3回に服用する。調製法 夏の開花時に全草を採取し、水洗い後刻んで、風通しのよい所で陰干しにする。※ ヒキオコシの名の由来は、その昔、全国を行脚していた弘法大師が腹痛に苦しんでいた旅人にこの草の葉を噛ませたところ、たちどころに旅人は回復して、病人を引き起こしたという故事による。別名の延命草も起死回生の妙薬という功能から付けられたという。※ ヤマハッカ属で同属種のクロバナヒキオコシ、カメバヒキオコシ、タカクマヒキオコシも同様の薬用種として用いられる。和名 引き起こし分布 日本各地生育地 日当たりのよい山野薬用部位 全草花期 秋(9~ 10 月)開花期利用部位全 草 胞 子利用部位全 草ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラLycopodium clavatum L.シソ科ヒキオコシIsodon japonicus (Burm.f.) H.Hara