ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の薬草各論ナナワシログミ/ナンキンナナカマド特 徴 常緑低木で、樹高は約2.5m になる。よく分枝し、また枝がとげに変ることも多い。葉は互生し、長楕円形で葉縁は波打ち、裏面は汚白色で、褐色または銀色の星状鱗片が密につく。花期には、葉腋に先が4裂した白色の筒状花を数個束状に下垂し、翌年の5~6月に楕円形の果実が赤く熟する。生薬名 胡コ頽タイ子シ(果実)、胡頽子根、胡頽子葉薬効・利用方法 下痢、咽喉の渇き、咳に用いられ、胡頽子1回量5~ 10g に水300mL を加え、1/3 量まで煎じて服用する。咳止め、止血、リュウマチによる関節痛、黄疸などには、胡頽子根1日量6~ 10g を煎じて服用するか、煎液で患部を洗う。葉は、咳止め、止血、でき物などに胡頽子根と同様に用いる。調製法 果実は4~5月頃採取し、水洗い後日干しにする。根は9~ 10 月頃掘り取り、水洗後刻んで日干しにする。※ 「和漢三才図会」(1713 年)には、「子は水痢を止め、根は水に煎じて吐血の止まらざるを治し、葉は能喘咳はげしき者を治す」。和名 苗代茱萸分布 関東地方以西、四国、九州生育地 海岸付近や山野薬用部位 果実花期 秋(10 ~ 11 月)冬葉の状態特 徴 落葉低木で、樹高は2~3mになる。樹皮は灰色。若枝には毛がある。葉は3~4対の小葉から成る奇数羽状複葉で上部の小葉にきょ歯があり大形、下部は全縁で小形になる。花期には、茎頂に散房花序をつくり多数の黄緑色の小花をつける。花序の下の托葉は大きく特徴的。果実は球形で赤く熟する。薬効・利用方法 欧州の民間療法では、同属のオウシュウナナカマドの果実の生汁を利尿、抗壊血病薬として用い、果実を乾燥させたものは下痢に用いた。木汁は下痢、膀胱炎に効果があるという。調製法 必要に応じて果実を採取して、生か日干しにして用いる。※ 成分は、糖アルコールであるソルビトール、糖類のソルボース、不飽和カルボン酸のソルビン酸、パラソルビン酸などを含有する。ソルビトールはビタミンC の製造原料に用いられた。和名 南京七竈分布 本州の福島県以南、四国、九州生育地 山地薬用部位 果実、木汁花期 初夏(5月頃)果実期利用部位果 実利用部位果 実 木 汁グミ科ナワシログミElaeagnus pungens Thunb.バラ科ナンキンナナカマドSorbus gracilis (Siebold et Zucc.)K.Koch