ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論タタブノキ/タラノキ特 徴 常緑高木で、樹高は30m にも達し、積層雲のように葉の層が重なりあって樹冠をつくる。葉は互生で枝先に集まり、倒卵状長楕円形、厚い革質で表面は光沢がある。花期には、枝の先に円錐花序をつけ、多数の淡黄緑色の両性花をつける。果実は漿果で球形。8~9月に黒紫色に熟す。生薬名 紅コウ楠ナン皮ヒ(根皮及び樹皮)薬効・利用方法 筋挫傷や捻挫などには、粉末(タブ粉)に食塩を少々加えて水でパスタ状に練り、これを直接痛む患部に厚く塗って、油紙、ガーゼと重ねて、軽く包帯で止めておく。または、根か樹皮に食塩を加え突き潰して患部に塗布する。転筋足腫(筋をねじって足が腫れる)には、樹皮の煎液で蒸して洗う。樹皮の煎液は吐瀉して止まらないものを治すのに用いられる。調製法 必要時に樹皮をはぎとり、乾燥したものを刻んで粉末にする(タブ粉)。※ 葉と樹皮には多糖体を主成分とする粘質物があり、粉末にして水を加えると粘液になるので、線香の粘結に用いる。葉は蚊取り線香に、樹皮を仏事用の先行に用いられる。和名 椨分布 本州、四国、九州生育地 暖地や沿海地の山中薬用部位 根皮及び樹皮花期 春(5月頃)新芽特 徴 落葉低木で、樹高は2~4m になる。茎はあまり分枝せず茎や葉に鋭いとげがある。葉は互生し、大形の2回羽状複葉で枝先に集まる。花期には、茎頂に大形の複散形花序をつけ、白色の小花を多数開く。果実は球形の核果で黒く熟す。とげの少ないものをメダラと称す。生薬名ソウ木ボク根コン皮ピ(根皮)、ソウ木ボク皮ヒ(樹皮)薬効・利用方法 利尿・健胃・抗糖尿薬として糖尿病、腎臓病、胃潰瘍などに用いられ、木根皮1日量5~ 10gに水400mL を加え、半量まで煎じて3回に服用する。また、糖尿病には、1日量として樹皮、連銭草、枇杷葉を各5g に水400mL を加え、半量まで煎じ1日3回に服用する。薬理 木根皮の水性エキスはアドレナリン過血糖、ブドウ糖過血糖、アロキサン過血糖に対して制糖作用がある。煎液のアドレナリン拮抗作用はコリンによるもの。調製法 6~8月頃に根を掘りとり、水洗後、木芯を去り根皮のみを刻んで日干しにする。樹皮も同じ頃採取し、刻んで日干しにする。※ 春の山菜の王様とも称される。自生種は幹や枝の表面に鋭いとげがあり、男だら(オダラ)と呼ばれている。山菜採りの時にはこのとげがウルシとの見極めに有効だが、このとげが少ない女だら(メダラ)という種類もあり、栽培には主にメダラが用いられている。和名 ?木分布 日本各地生育地 山野薬用部位 根皮、樹皮花期 夏(8月頃)開花期利用部位根 皮 樹 皮利用部位根 皮 樹 皮クスノキ科タブノキMachilus thunbergii Siebold et Zucc.ウコギ科タラノキAralia elata (Miq.) Seem.新芽