ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論シシュロ/ショウブ特 徴 落葉高木で、樹高は5~ 10m になる。幹の先端に扇状に葉柄を広げて数十枚の熊手型の葉をつける。葉柄の基部は幹に接する部分で大きく三角形に広がり、幹を抱くような形になっている。花期には、葉の基部から肉質の円錐花序を出し、黄白色小さな花を多数つける。果実は液果で扁球形、熟すと青黒くなる。生薬名 棕櫚葉、棕櫚実薬効・利用方法 収斂・止血の作用があり、様々な出血症にも効果がある。他に高血圧の予防、利尿、卒中後の後遺症などにも用いられる。若い花穂の乾燥したもの3~5g を1日量として水400cc で半量に煎じ、1日3回に分けて服用する(高血圧の予防)。乾燥した果実は、止血、止瀉に用いられる。葉は灰にして用いたり、そのまま軽く焙じて茶剤とするかして脳出血、高血圧の予防及び卒中後の後遺症などに使われる。鼻血の止血には、皮の黒焼きを直接、鼻の穴に入れる。調製法 雄花、雌花いずれでもよい。4~5月ごろ、出始めの黄色花穂をとり、日干しにする。また、幹に出た黒褐色の毛のような状態の皮をとり、黒焼きにする。和名 棕櫚分布 南九州、中国の原産とされる。生育地 街路樹や庭木に栽培される。薬用部位 葉、果実、花穂の新芽、幹の皮と心材、根など花期 春(5~6月)シュロの全体利用部位葉 果 実 花穂の新芽 幹の皮 根と心材ヤシ科シュロTrachycarpus fortunei (Hook.)H.Wendl.特 徴 水生の多年草。全体に芳香がある。根茎は長く横に這い、節がありよく分枝する。葉は根茎上に2列につき、基部で互いに抱き合い、線形で長さ50 ~ 80cm、中央脈があり先端は細く尖る。花期には、扁平で葉状の花茎を出し、円柱状の花序をやや斜めにつける。生薬名 菖ショウブコン蒲根(根茎)薬効・利用方法 芳香性健胃薬・去痰薬として腹痛、下痢、てんかんなどに用いられる。なお、菖蒲根には発癌作用があるとの報告もあるため一般の内服は避けたほうがよい。神経痛、リュウマチには、細かく刻んだ根茎を軽く一握り分布袋中に入れ、なべで適当量の水で煮沸し、冷めないように袋ごと湯ぶねに移して入浴する。調製法 11 月から次の年の3月ごろまでか、または夏8~9月に根茎を掘りとる。ひげ根を除いて、きれいに水洗いしたのち、日干しにする。和名 菖蒲分布 日本各地生育地 池や溝のそばに群生する。薬用部位 根茎花期 春~初夏(5~7月)開花期利用部位根 茎ショウブ科ショウブAcorus calamus L. var. angustatusBesser花部花部