ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

高浜町の薬草各論カカラハナソウ/カラムシ特 徴 つる性の多年草で、茎には下向きのとげがあり、他物に絡みつき生長する。葉は対生し長い柄があり卵円形から心臓形で先端は深3裂~浅3裂してクワの葉に似る。雌雄異株。花期には、雄花は淡緑色で円錐状の大きな花序にまばらにつく。雌花は苞に包まれ、下向きの短い球穂状花状につく。薬効・利用方法 健胃、鎮静、利尿に効果があるとされる。乾燥した果穂を茶こし入れ湯を注いで飲む。調製法 夏に果穂をとり、風通しのよい日陰で乾燥する。※ ビールの原料であるホップの外見とよく似ているが、ホップには果穂の成熟期に苞の内側に生ずる黄色の腺(ホップ腺)が密生し、カラハナソウは数が少ない。ホップ腺は芳香性苦味健胃作用および鎮静・利尿作用があり、消化不良、不眠症などに用いられる。和名 唐花草分布 本州中部地方以北、北海道生育地 山地薬用部位 果穂の成熟期の苞花期 夏~秋(8~ 10 月)雌花特 徴 多年草で、草丈は1~ 1.5m になる。茎は中部以下で枝を分け、繊維質で硬い。葉は互生し、長い葉柄があり広卵形で、普通、裏面に白い綿毛を密生する。雌雄異株。花期には、葉腋から円錐花序を出し、茎の下部に雄花穂、上部に雌花穂がつき、雄花は淡黄色の小花を開く。繊維材料としても栽培される。学名でも変種・品種の記述があるが、日本産のものは真の自生ではなく、栽培逸出の可能性も示唆されており、現在ではナンバンカラムシの変種とする扱いが普通である。生薬名 苧チョ麻マ根(根茎、根)、苧麻葉(葉)薬効・利用方法 苧麻根は止血作用が知られており、中国では安胎の専門薬として臨床に応用され、妊娠時の胎動不安、胎漏下血に有効とされる。また痳病、尿血、丹毒などの症状にも応用される。かつては小児の赤丹を治療するのによく用いられた。苧麻葉は吐血、血尿、肛門の腫れと痛み、急性乳腺炎などに、1日量10 ~ 20g を煎じて服用する。調製法 根茎や根を冬~翌年の春の間にとり、水洗いして日干しにする。また、葉は夏に採取し日干しにする。和名 苧蒸分布 日本各地生育地 原野、畑地でも栽培される。薬用部位 根茎、根花期 夏~秋(8~ 10 月)開花期利用部位果穂の成熟期の苞利用部位根 茎 根アサ科カラハナソウHumulus lupulus L. var. cordifolius(Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav.イラクサ科カラムシBoehmeria nivea (L.) Gaudich. var. concolor Makinof. nipononivea (Koidz.) Kitam. ex H.Ohba花部