ブックタイトル青葉山植物図鑑
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青葉山植物図鑑
高浜町の薬草各論カカニクサ/ガマ特 徴 夏緑性シダ植物。つる性で長さは2~3m ほどになり、樹木や岩に絡みつく。地下にある根茎から1枚の葉を出しているので、茎に見えるものは葉軸。中軸から分岐した多数の羽軸(枝)に黄緑色~緑色の羽片をつける。胞子をつける胞子葉は小さく分裂し、通常の栄養葉は大きく、裂片は幅広く浅裂する。生薬名 海カイ金キン沙サ(胞子)、海金沙草(全草)薬効・利用方法 胞子は解毒・利尿剤として淋疾、陰茎痛、熱毒気、腫満、膀胱熱などに用いられ、海金砂1日8~15g を水300mL で半量に煎じ、3回に分け服用する。全草は尿路感染症、尿路結石、こしけ、水腫、黄疸などに用いられる。調製法 夏~秋に、胞子嚢のついた葉を陰干しし、紙の上で葉をたたいて、黄褐色の胞子だけを集める。和名 蟹草 別名 ツルシノブ分布 関東地方以西、四国、九州生育地 山野薬用部位 胞子、全草生育期特 徴 多年性の水草で、草丈は1.5 ~2m になる。地下茎が太く、地中を横に伸び群落をつくる。葉は緑白色で幅1~2cm の扁平な線形。開花期には、茎の先端に1個の花穂をつけて、花穂の上半は雄花、下は雌花がともに密に集まりつく。雌花穂は赤褐色に成熟すると、長い毛をもつ種子が飛び散る。生薬名 蒲ホ黄オウ(雄花穂の花粉)薬効・利用方法 止血薬として下血、吐血などに用いられ、蒲黄1回量1g を1日3回そのまま服用するか、1日量5~ 10g に水400mL を加え、半量まで煎じて3回に分けて服用する。口内の出血には花粉を湯に混ぜ口に含む。創傷の止血には蒲黄をそのまま患部に塗布する。調製法 夏に雄花穂の花粉を集め乾燥する。※ 穂綿は綿毛状になったもので、古代にはこの穂綿で蒲団を作った。蒲団の語源はガマ。神話の中で因幡の白うさぎが大国主命に助けられて、蒲の穂綿にくるまり傷を治したという神話は、花粉の蒲黄ではなく、穂綿にくるまったのであろう。和名 蒲分布 日本各地生育地 湿地、休耕田、水路など薬用部位 雄花穂の花粉花期 夏(6~8月)雌花利用部位胞 子 全 草利用部位雄花穂の花粉フサシダ科カニクサLygodium japonicum (Thunb.) Sw.ガマ科ガマTypha latifolia L.