ブックタイトル青葉山植物図鑑

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概要

青葉山植物図鑑

ア●●●● 高浜町の薬草各論カカシワ/カナムグラ特 徴 落葉高木で、通常は15m 以下。樹皮は厚く、深い割れ目がある。葉は倒卵形で基部は耳状となり、裏面は灰白色の軟らかい毛を密生する。葉縁には波形の深い鋸歯がある。枯れ葉は翌春まで枝に残るものが多い。花期には、新枝の基部から黄褐色の多数の雄花穂を下垂し、雌花は上部の葉腋に小さな花序をつける。殻斗は広線形の多数の鱗片を螺旋状につけた椀形で堅果の半分以上を包む。生薬名 槲コク樹ジュ(樹皮)、槲葉(葉)薬効・利用方法 収斂作用があり、下痢には、槲樹1日量3~4g に水400mL を加え半量まで煎じて服用する。乾燥葉は5~ 10g を1日量、乾燥種子は1日量3~6g を用いてもよい。でき物、かぶれには煎液を塗布する。調製法 夏期に樹皮を採取、水洗い後に刻んで日干しにする。葉は夏に、種子は秋に採取し、水洗い後に日干しにする。和名 柏分布 日本各地生育地 山野、人家でも栽培される。薬用部位 樹皮、葉花期 春(4~5月)生育期特 徴 つる性の1年草で、茎や葉柄には小さな逆向きのとげがあり、他物にからみついて茂る。葉は対生し、長柄があり掌状で深く5~7裂する。両面には粗い毛があってざらつく。雌雄異株。花期には、雄花序は葉腋から大形でまばらな円錐花序をつけ、多数の黄緑色の雄花をつける。雌花序は球果状の広卵形。生薬名 葎リツ草ソウ(全草)薬効・利用方法 利尿・解熱・解毒薬として淋病などには、1日量10 ~ 15g に水400mL を加え半量まで煎じて服用する。腫れ物の解毒には、生の茎葉を一握ほどアルミ箔に包んで炒め、これを酢で練り患部に塗布する。調製法 夏~秋にかけて採取し、刻んで日干しにする。※ 近年、カナムグラの地上部の成分としてトリテルペンやβ - シトステロールなどが確認され、抗腫瘍活性試験に明るい見通しであることが研究発表された(日本薬学会第99 年会生薬学部会)。和名 鉄葎分布 日本各地生育地 原野、路傍、荒れ地薬用部位 全草花期 秋(9~ 10 月)生育期利用部位樹 皮 葉利用部位全 草ブナ科カシワQuercus dentata Thunb.アサ科カナムグラHumulus scandens (Lour.) Merr.